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2023年12月31日 (日)

「時間の矢」と「宇宙の熱的な死」

放送大学に、宇宙科学を学びたくて、2022年に入学した。
最近は、改めて基礎となる「物理」の勉強に、ひたすら励んでいる。

力学、電磁気学、熱力学の本を、各4冊ずつ読んで来た。

そして、来年からの勉強に備え、解析力学、統計力学、振動·波動、
量子力学の参考書を、この度購入した。

その上で、各参考書を通読し、太字表記のキーワードに下線も引いた。
しかし、現時点では、全く理解が出来ない。
高等数学の数式だらけ。

これらを、克服出来るのだろうか。
今は、期待よりも、不安の方が遥かに大きい。

こういう場合は、原点に戻るのがよい。

私の興味の対象は、「宇宙」そのものだ。
物理は、宇宙を知るための手段に過ぎない。

熱力学の本を読んでいる時、「時間の矢」と「宇宙の熱的死」という項目があった。

この宇宙を、まず「断熱された孤立系」であると考える。
その系の中で、我々が目にするほとんどの変化は、「不可逆過程」とみていい。
そのため、「エントロピー」というエネルギーが増大する向きに変化は進む。

つまり、時間の経過と共にエントロピーが増大して行く事となる。
これは、エントロピーの増大の向きと時間経過の向きが一致する事を意味する。
この現象を、熱力学ではエントロピーによる「時間の矢」と呼んでいる。

時間の経過と共に、宇宙におけるエントロピーは増大し続ける。
やがて、エントロピーが最大値に達した時点で、変化が停止する。
つまり、それは「時間の矢」が失われる事を意味する。

この状態になると、宇宙はどこも一様で等温な均質な混合状態が
出現する事となる。
これは、ブラックホールも銀河も、全て区別がなくなるという事。

宇宙を構成する様々な個性的な要素がなくなり、単調な状態となる。
こうなると、宇宙は空間も時間も定義出来ない、虚ろな存在となる。

これをボルツマンは、「宇宙の熱的な死(ビッグフリーズ)」と呼んだ。
しかし、私は、残念ながら全くイメージする事が出来ない。

宇宙の終末論は、これ以外にもいくつか唱えられている。
「崩壊的な死(ビッグクランチ)」「破壊的な死(ビッグリップ)」等。

宇宙は、まさに神秘に満ちている。

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