「宇宙は数式でできている」読了
宇宙科学を探求する上で、数学の知識が欠かせない。
そのため、現在、大学物理と同時に、大学数学を勉強している。
その合間に、宇宙物理学者である須藤靖さんが著された
「宇宙は数式でできている」という新書を、興味深く読んだ。
須藤氏曰く、「宇宙は信じがたい精度で数学に従っている」と。
その最たるものが、アインシュタインの一般相対性理論。
これは、空間と時間が重力によって変化するという、
言わば「宇宙のあり方」を説いた理論。
数式に基づいて記された『物理法則』が、この宇宙を形作っているとの認識。
何とも、不思議な感覚に陥る。
しかし、須藤氏は、これらの法則を人類が「発明」したのではなく、
「発見」したと記されている。
宇宙を司る法則は、人類が出現する以前から存在していた。
これを、発見して来たと言う事。
一方、この宇宙には、まだ判明していない事象が、数多くある。
例えば、ダークマターやダークエネルギー。
これらは、宇宙の26%と69%を占めているが、現時点で正体は不明。
マクロな宇宙全体の世界と、ミクロな量子(素粒子)の世界との関係も、
分かっていない。
これらは、須藤氏の弁では、まだ未知の法則が「発見」されていないとなる。
世界中の物理学者が挑んでいる、難解なテーマだ。
しかし、こう考えて来ると、誰がこれらの『物理法則』を作ったのかと
思ってしまう。
この点については、須藤氏も「分からない」としている。
と言う事は、我々の宇宙とは違う宇宙が存在している場合、
別の『物理法則』が支配している可能性もある。
でも、その場合でも、やはり何らかの数式で書き表されているのだろう。
「宇宙は数式でできている」
宇宙の謎は、深まるばかりである。
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