「宮沢賢治と宇宙」を読了
このたび、興味深い新書を読み終えた。
それが、以下の本。
「天文学者が解説する宮沢賢治『銀河鉄道の夜』と宇宙の旅」
著者は、天文学者である谷口義明先生。
私は、放送大学で、先生の授業をこれまでに、2科目受けた事がある。
「太陽と太陽系の科学」と「宇宙の誕生と進化」。
とても気さくな先生。
難しい内容を、朴訥とした口調で語り掛けて頂いた。
その谷口先生が、宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」を、
天文学者の観点から読み解くと言う野心作。
読んで驚いたのは、賢治がこんなにも宇宙に興味を持ち、
精通していたのかと言う事。
先生も、驚かれていた。
「銀河鉄道の夜」は、確か中学生の頃、読んだ記憶がある。
しかし、その時は、途中で投げ出してしまった。
意味不明な表現が多く、作品から銀河系のイメージが掴めなかった。
独り言のような内容に、翻弄されたくなかったとも言える。
「何とも不思議な本」が、素直な印象。
物語の展開に沿って、谷口先生がそれに相当する天文現象や
対象物について解説を加えて行く。
先生独自の解釈もあったが、それはやむを得ない。
これらの記述から、宇宙に関する体系的な学びを得る事は難しい。
しかし、天文学の入門としては、最適かも知れない。
ただし、賢治の語り口に抵抗がなければだが。
実は、放送大学で今年度から、谷口先生を主任教授とする
新科目として、まさに「宮沢賢治と宇宙」という科目が始まった。
これまであった「初歩からの宇宙の科学」に替わっての登場。
この科目は、既に特A評価で単位取得済み。
よって、もう「宮沢賢治と宇宙」を取る必要はないのだが、
取得したい科目を受け終わった後に、自分へのご褒美として
改めて「宮沢賢治と宇宙」を受けてみたいと思っている。
それまでに、解析力学、統計力学、ベクトル解析、量子力学を
クリアすると言う高いハードルが待ち受けているが。
まさに、宇宙へのロマンは、尽きない。
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