「あなたのこれからがあなたのこれまでを決める」
月刊「致知」に、理学博士である佐治晴夫(さじ はるお)氏の談話記事が
掲載されていた。
佐治氏は、「ゆらぎ」の理論研究で著名である一方、宇宙研究の成果を
平和教育の一環と位置づけ、リベラルアーツ教育を全国で展開している。
以下、談話中で印象に残った言葉のエッセンスを記したい。
物理学で、「量子論的無のゆらぎ」と言う言葉がある。
その「ゆらぎ」から生まれた一粒の光が急速に広がり、光のしずくから
物質の素が生まれ、枝分かれして138億年後、現在の宇宙になった。
その結論は、私達は自然界の全てを含めて、各々が「相互依存」であること。
そこに思いを馳はせる時、湧き上がってくるのが感謝と悔い改めの心。
「ありがとう」「おかげさま」「お互いさま」「ごめんなさい」
この4つの言葉が、現在の社会を救うキーワードになると思う。
カトリック教会の司教で哲学者だったアウグスティヌスは、
「現在イコール永遠」と定義した。
私達は過去を過ぎ去ったものと考えるが、そう考える自分は「現在」にいる。
先のことを考える自分も「現在」にいる。
つまり過去も未来も「現在」に含まれ、それが永遠に続く。
ということは、私達の人生は、「いま、ここに」しかないと言える。
ある事物との「出会い」がよかったか悪かったかは、その時には分からない。
だから、それぞれの出会いは、大切にしていかなければならない。
ケースにもよるが、自分の価値観で判断しないこと。
また、人生のどの時期が「試練」なのかも、はっきりと定義できない。
非常に嫌な出来事があったとしても、それをくぐり抜けてよくなったとしたら、
それは試練というよりも、よい「体験」ということになる。
では、失望を「希望」に変えるにはどうしたらよいか。
壮大な希望を先に灯すのではなく、「小さな希望」でいいから
それをすぐ目先に灯し続けることが大切だと思う。
人生は「小さなきっかけ」でどうにでも変わっていくもの。
数学ではこれを「カオス」と言うが、人生にはカオス的な要素がある。
だから、どういう状態になっても「諦めない」。
カオス的であるからこそどうなるか分からないし、何らかの解決策はある。
「これからの歩み方」次第で過去の価値はいかようにも変えられる。
思い立った時が、最良の時間。
「いまさら」の「さ」を「か」に替えて、「いまから」と思う事が大事。
以上、まさに、同感の至りだ。
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